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なぜリップロール(SOVT)をやるの?効果は?‐非線形ソースフィルタ理論‐

リップロール,SOVTのアイキャッチ画像
この記事の執筆者

小久保よしあき氏(ボイトレエンタメユニットBRIDGE はる先生)からライセンスを付与された、SVC公認ボーカルコーチの“ボイトレ王子”こと、エレ様です。

SVCのライセンスを取得する際に、ウン十万円掛けて学んだ全知識、いやそれ以上の情報を、こうやってコラムとして無料での公開に踏み切りました!

鹿児島のハイブリッド型ボイトレ ELEGANT VOICE講師のエレ様。
SVC公認ボーカルコーチ エレ様

リップロールに関する疑問は、かなり多くの方が抱えています。

ボイトレと言えばリップロールというくらい、今では定番化したエクササイズです。

ですが、「なぜこれに効果があるのか?」「具体的にどんな効果があるのか?」と聞かれたら、実はしっかりと説明できるボイストレーナーは少なく…

「伝統的に先人たちがやってきているから」という程度で、取り敢えずでやらせている先生が多い印象を抱きます。

そこで私が、リップロールの驚くべき効能について執筆したので、この記事を読んで理解を深めて頂けたら幸いです。

目次

セミ・オクルーディッド・ヴォーカル・トラクト(通称:SOVT)

ボイトレでは定番となったリップロール(リップバブル)ですが、分類としては『セミ・オクルーディッド・ヴォーカル・トラクト(通称:SOVT)』と呼ばれるエクササイズの一種です。

エレ様

なにやら難しい言葉が出てきましたが、言葉を覚える必要は無く、なんとなく効果を理解して欲しいです。

セミ・オクルーディッド・ヴォーカル・トラクト(通称:SOVT)
直訳すると「半閉鎖的な歌声の通り道」といった感じ。
何か抵抗を加えることにより、声帯側にバックエネルギーを返すことで、声帯の振動がスムーズになるようにサポートするエクササイズの総称。

エレ様

更に『エクササイズ』という単語まで含めて、セミ・オクルーディッド・ヴォーカル・トラクト・エクササイズ(通称:SOVTE)なんて呼んだりもします。

要は「抵抗を与えることで声帯の振動をスムーズにする」働きがあり、リップロールの場合は、唇の振動がその抵抗にあたるというわけです。

非線形ソースフィルタ理論

エレ様

すみません、またしても難しい言葉が飛び出してきてしまいました。

SOVTとは、抵抗を加えることにより、声帯側にバックエネルギーを返すことで効果を発揮すると説明しました。

この「バックエネルギーが声帯に影響を及ぼす」という理論のことを、『非線形ソースフィルタ理論』と言います。

非線形ソースフィルタ理論
2008年に、Ingo Titze(インゴティッツェ)氏という音声科学者が発表。ソースとは声帯原音、フィルタとは声道形状のことを指し、声道形状が声帯原音に対して、影響を及ぼすという理論。

声帯原音とは、声帯で作られた声の元となるブザーのような「ビー」と鳴る音のことです。

エレ様

この声帯原音の音色には、ほとんど個人差がなく、この時点では皆が同じような音を発しています。

このブザーのような原音が、声道(せいどう)と呼ばれる『声帯から口先までの空間』を通る過程で、『声』となって最終的には我々の耳に届いています。

エレ様

この声道に個人差があるので、我々の耳に届く声には、それぞれの特徴が生まれるわけです!

声道は、喉頭(のど仏)の高さや舌の位置など、様々な要因が関係してその形状を変えることができるわけです。

モノマネ芸人さんたちが色んな声を出せるのが正に、この声道形状のコントロールが上手だからなのですね。

「線形ソースフィルタ理論」から「非線形ソースフィルタ理論」へ

元々、伝統的な音声学において、声帯で作られた原音は声道の影響を一切受けずに、あくまで声帯側から声道側への一直線の関係(これを「線形ソースフィルタ理論」と言います)だと考えられていました。

しかし2008年、『非線形ソースフィルタ理論』の発表に伴い、声帯で作られた原音も声道の影響を受けることが判ったのです。

声帯側から声道側への一直線の関係ではなく、声道側から声帯側へのバックエネルギーの影響を受ける、つまり相互作用があるという新たな常識が誕生したわけです。

言い換えれば、リップロールにはちゃんと効果があったことが証明された瞬間でもあります。

エレ様

非線形ソースフィルタ理論が証明される以前は、リップロールの効能が否定されても致し方ない時代だったわけですね。

因みにこれは余談ですが、声道形状が声帯原音に対して影響を及ぼす、これは即ち、声道の形状によってミックスボイスの難易度も変わってくることを意味しています。

リップロールの効能

SOVT、ひいては非線形ソースフィルタ理論について、なんとなく理解できたところで「リップロールの効果・効能」について説明いたします。

上記のSOVTの説明で記載している通り、声帯から生まれた原音が声道(声帯から口先までの空間)を通って口先へと向かう工程で、唇に当たって逆に声帯側に跳ね返った声は、声帯振動をサポートしてくれることが証明されています。

これにより、少ないエネルギーで声帯を振動できるので、ウォーミングアップで使用されることが多いというわけです。

プルチェストの人は叫びづらくなり、とにかく声を軽くしてくれるのでミックスボイスに繋がりやすいです。

また、余計な母音や子音が何もない無い状態で発声できるため、※フォルマントの観点からもミックスボイスの獲得に一役買ってくれる優れものです。

「フォルマントは共鳴腔の容積によって作られるAcoustic Value(音響数値)である。と考えるのが最も自然でしょう」と前回の倍音編で書きました。

例えば、ペットボトルに水がある程度入った状態で息を吹き込むと高い音が作られます。

◆ 空間容積が狭い = 高い音をブーストする→高音域にフォルマントが出来る
※超重要なポイントです。

ペットボトルに水をそこから減らした状態で息を吹き込むと低い音が作られます。

◆ 空間容積が広い = 低い音をブーストする→低音域にフォルマントが出来る
※超重要なポイントです。

つまりは「広い空間は低い音をブーストする特性がある」そして「狭い空間は高い音をブーストする特性がある」と言う事が言えます。

https://www.voicetrainers.jp/349/

歌におけるフォルマントとは母音、即ち舌の使い方だと思ってください。

下記で紹介する記事で、母音について解説しています。

リップロール以外のSOVT

因みにリップロール以外にも、ボイトレで使われるSOVTは下記のモノがあります。

  • タングトリル
  • ラズベリー
  • ストローエクササイズ
  • ペットボトルエクササイズ

タングトリル

いわゆる巻き舌です。
舌を使って抵抗を作ります。

ラズベリー

タングトリルとリップロールの合わせ技です。
唇を震わせながら、同時に巻き舌も行うことで抵抗を増やします。

ストローエクササイズ

ストローを口に咥(くわ)えることで、抵抗を作ります。

おススメはマドラーストローと呼ばれる細いストローです。

よくカクテルに刺してある、アレです。

なるべく長めのものを選ぶと、効果的ですよ。

ペットボトルストローエクササイズ

上記で紹介したストローエクササイズに、更に水の入ったペットボトルを加えることで、抵抗を増やします。

つまり、水とストローにより、ダブルで抵抗を作るわけです。

下記で改めて解説しますが、抵抗大きさと、SOVTの効力は比例しますので、効果は絶大です。

抵抗の大きさと効能は比例

SOVTは、基本的に抵抗が大きいほうが効き目が強いことが立証されています。

ですので、リップロールだけよりタングトリルも合わせたラズベリーの方が効果が高く、ストローエクササイズでも、太いモノより細いモノの方が効果は高い。

そのストローエクササイズに、更に水を入れたペットボトルを加えれば、より効果が期待できるというわけです。

恐らく、リップロール≦タングトリル<ラズベリー<マドラーストロー<ペットボトルストロー、となることが予想されます。

注意点としては、息を吐きすぎないことです。

これは、SOVT全般に言えることですが、目的はスムーズな声帯振動により軽い体感、楽な体感で発声させることです。

ミックスボイスが出来ない初心者の8割が、息が強すぎる、吹きすぎる傾向にあります。

リップロールなら、なるべく唇の振動は小さく、ペットボトルストローなら、水のブクブクがなるべく小さくなるように意識してください。

まとめ

2008年、『非線形ソースフィルタ理論』の発表により、リップロールに代表されるSOVTにはちゃんと効果があることが立証されました。

SOVTは、抵抗が大きいほうが効果も高いとされています。

リップロールだけでは効果を感じにくい場合は、今回紹介した「より強力な方法」を試してみると良いかもしれませんね!

だからといって、100mのストローのような、調子に乗った抵抗の上げすぎには注意ですよ(笑)。

#ボイトレ #ボイストレーニング #SOVT #リップロール

エレ様(ボイトレ王子)@鹿児島ボイストレーナー
SVC公認ボーカルコーチ
1987年6月9日生まれ、本名は石井 竜(イシイ リュウ)。
“ボイトレ王子”の異名を持つ、鹿児島初のSVC公認ボーカルコーチ。
【鹿児島のハイブリッド型ボイトレ ELEGANT VOICE】を運営。

「ハリウッド式ボイトレメソッド」を軸に、科学的根拠に基づいた発声指導を行っている、発声のエキスパート。

かつて自身がボイトレ難民だった経験から、クラシカルなボイトレ業界に科学的知識を持ち込むことで、ボイトレ業界の発展に貢献している。

‐受賞歴‐
2017年 TOP IN TOWN 優勝
2018年 ジェネステ 決勝進出
2019年 ジェネステ 決勝進出
2019年 日本カラオケボックス大賞 城山ストアー賞(3位入賞)
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