ELEGANT VOICEとは、鹿児島にてミックスボイスをはじめ、「高音」に特化した発声技術を指導している、ボイトレ専門教室です。
科学的根拠に基づいた世界二大ボイトレ・メソッドを駆使したレッスンが、最大の特徴と言えます。
指導者は、鹿児島初のSVCライセンスを取得した公認ボーカルコーチ「エレ様」です。
2024年8月27日、F・Y様 (30代 女性)の体験レッスンを実施させて頂きました。
F・Y様のカウンセリング内容
F・Y様のお悩みはズバリ、「ビブラートが掛けられない」というもの。
実はこの悩みを相談される方、めちゃくちゃ多いです。
初めましての人にボイストレーナと告げると、8割がたビブラートの相談を受けます。
声帯を司る※甲状披裂筋(TA)を厚く使えば使う程、それを引っ張る筋肉である※輪状甲状筋(CT)が負けてしまい、ビブラートが掛からないわけです。
だから結局はバランスの良いミックスボイスが重要ですよねって話になります。
では、F・Y様の発声バランスはどうだったのでしょうか?今回もレポートしていきます。
体験レッスンの内容
Mum(マン)の発音×5トーンスケールでアセスメントさせて頂いた結果、なんと事前アンケートの回答から予想していたボイスタイプとは相反する結果…ミックス型でした。
地声から裏声の音域までトーンの解離がなく、一本に繋がった状態です。裏声もいわゆるファルセット(芯のない裏声)ではなく、ヘッドボイス(芯のある裏声)と繋がるため実用的です。声帯への負担も少ないので、声枯れや故障のリスクも軽減できます。
https://elegant-voice.com/method/
F・Y様にはミックス型であったことを告げました。
冒頭でも触れた通りビブラートが掛からないことがお悩みの場合、甲状披裂筋を分厚く使った発声、即ち※プルチェスト、あるいは※ベルティング傾向の方が多いのです。
地声を無理やり張り上げて発声している、とても危険な状態です。音程はフラット(下がる)傾向にあり、声帯にかかる負担も大きく、いかんせん歌っていて苦しい、ポリープや声帯結節といった故障のリスクも高まります。
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ですがF・Y様はその傾向をいい意味で裏切ってくれました!
これにより、ビブラートに特化したトレーニングを行うことで、次第にビブラートが掛かっていく可能性が高まりました。
ビブラートの記事を座学で勉強
ビブラートが掛からないお悩みを解決する為に、先ずは座学でビブラートに関する知識を深めて頂きました。
私が書いたビブラートの記事がある為、その記事から大事なところを解説しました。
ざっくりまとめると下記のような感じです。
- ビブラートを掛ける為に重要な筋肉の話
- ビブラートの練習法(半音階練習)
- 理想のビブラートは1秒間に6回の振幅
大前提として、実はビブラートってまだ科学的には解明されていないのです。
したがって諸説あるものの、私はビブラートを掛ける為に最も重要な筋肉は※輪状甲状筋だと考えており、この筋肉の強化(柔軟性?)が効果的だと考えている旨を説明しました。
この筋肉強化に有効なのが半音階練習と言って、「ドシ↓ド↑シ↓ド↑シ↓ド↑」といった具合で音程を上下する訓練です。
シンプルでありきたりな訓練ですが、ビブラートの訓練って結局はこれしかないと言っても過言ではありません。
これは丁度、テンポ120で3連符のスピードに該当します(かなり速い)。
メトロノームを120に設定し、「1・2・3・1・2・3・1・2・3」のリズムですね!
実際に半音階練習をやってみた
これらの解説を踏まえて、実際に半音階練習をやってみました!
先ずは準備段階として、オクターブスケールで「Gah(ガー)」「Gee(ギー)」「Goo(グー)」と発声して貰いました。
得意な母音を探る為です。
上級者でしたら、ロジックとして一般的にはイ・ウ母音が適している場合が多いのですが、初心者は裏声になりやすい母音なので難しかったりします。
F・Y様はGooが綺麗に発声できていたため、Gooを使用することにしました!
Gooの発音を使ってD4(4番目のレ)の音で半音階練習を行ってみました。
「レレ♭↓レ↑レ♭↓レ↑レ♭↓レ↑」と、ゆっくりな速さから徐々に速くしていきます。
ビブラートを掛ける筋肉の筋トレである為、あえて度数を大きくしてD4からC4まで下げて揺らしてみたり、1オクターブ離した跳躍フレーズの訓練も行いました。
時間はかかるかもしれませんが、これを繰り返していけば少しずつビブラートが掛かるようになっていく筈です。
最後に、F・Y様から「単純に歌が上手くなるには?」との質問を受けましたので、実際に中島みゆきの「糸」を歌って頂きました。
この曲ですが、ミックスボイスであれば男性でも原曲キーでラクに歌えてしまう程キーが低いです。
そのせいもあって、発声練習の時より低音域(Aメロ)から声量を出して歌ってしまい、甲状披裂筋が分厚く接触してしまっていました。
低音から音量が出ている影響でサビとのメリハリも無くなっていたので、「もっとAメロは抑えて歌って良い」と、アドバイスさせてもらいました。
恐らく、F・Y様が想像していた以上に「声量は抑えて歌っているな」っていう感想をもたれたのではないでしょうかね?
本場ハリウッドでは、日本の声量に関する価値観より3分の1程度まで抑えて歌うのが常識なのです。
参考に成ったら幸いですね。
総括
F・Y様 (30代 女性)のボイスタイプですが、アンケート結果からの予想に相反してミックス型でした。
また今回はF・Y様のご希望に沿う形で、ビブラートに特化したレッスン(座学と実技)を実施させて頂きました。
ミックス型だったことでビブラートを掛ける為の下地は出来ていた為、半音階練習はとても有意義なものになったと思っています。
ビブラートで悩まれている方は本当に多いので、是非ともELEGANT VOICEの体験レッスンをご活用いただけたらと思います。