ELEGANT VOICEとは、鹿児島にてミックスボイスをはじめ、「高音」に特化した発声技術を指導している、ボイトレ専門教室です。
科学的根拠に基づいた世界二大ボイトレ・メソッドを駆使したレッスンが、最大の特徴と言えます。
指導者は、鹿児島初のSVCライセンスを取得した公認ボーカルコーチ「エレ様」です。

2025年1月13日、雅之様(50代 男性)の体験レッスンを実施させて頂きました。
私の指導経験の中で過去一、『科学的に誤ったボイトレ』の被害者でしたので、注意喚起になればとの思いからご紹介させて頂くことにしました。

これぞ「ボイトレ業界の闇」…まるで過去の私自身を見ているようでした…。
雅之様のカウンセリング内容
雅之様ですが、かなりボイトレ経験豊富な方でした。
県外で1カ所と鹿児島で3カ所のボイトレを経験(トータルで軽く5年以上)されたようですが、残念ながら「高音がツラく、数曲歌ったら声が枯れてしまいライブが持たない」という状態から脱却できなかったとのことでした。

いわゆる『ボイトレ難民』ですね…私もそうだったので痛いほど気持ちが分かります。
そこで、藁(わら)をも掴む思いで当スクールの体験レッスンにお申し込みされたわけですね。
このように、「科学的に誤ったボイトレ」を受講してしまうと、効果がないどころかむしろ状態が悪化してしまうことも決して珍しくないのです。

目標としては 、Ben E. Kingの「STAND BY ME」を原キーで歌いたいとのこと。
では、上記のようなお悩みを抱えた様が、当スクールELEGANT VOICEの体験レッスンを受けたことでどのような変化があったのでしょう?

本日もレッスン内容をしっかりとレポートしていきますよ!
体験レッスンの内容
Mum(マン)の発音×5トーンスケールでアセスメントさせて頂いた結果、「案の定」と言って良いでしょう…ボイスタイプとしては超が付くプルチェスト型でした。

地声を無理やり張り上げて発声している、とても危険な状態です。音程はフラット(下がる)傾向にあり、声帯にかかる負担も大きく、いかんせん歌っていて苦しい、ポリープや声帯結節といった故障のリスクも高まります。
雅之様にプルチェスト型である旨をお伝えさせて頂きました。
これに関しては、事前アンケート(体験レッスン受講前にお悩み等を記入して頂いている)の段階で予想していましたし、ご本人様もしっかりと自覚がありました。
プル最大の特徴である「高音に行くにつれ声量が必然的に上がってしまう」という症状が顕著(けんちょ)に表れており、かなり危険な状態だったので即座に声を出すのを止めさせて頂いたほどでした。

あまり他のスクール様を悪く言いたくは無いのですが…長年ボイトレを受けてきた方がなぜ、最も危険な発声状態であるプルチェストなのでしょうか…?
同じボイストレーナーとして、こんな状態に仕上げた指導者に対して憤りを覚えてしまいますね…。
先ずは声量の概念を180度変えて頂く必要があります。
そこで、一流アニソンシンガーであるオーイシマサヨシが、「ミックスボイスと声量の関係」について語った動画(添付のモノ)を見て頂きました。
更にここから「ハリウッド式ボイトレの生みの親」、全米ナンバーワンのボイストレーナーである※セス・リッグス氏の解説をすることで、声量の不必要さを力説させて頂きました。
セス・リッグス(英: Seth Riggs、1930年9月19日 – )は、アメリカ合衆国のボイストレーナー。ロサンゼルスを本拠地に、ボイストレーニングを行っている。
ベルカント唱法を基に発声法「Speech Level Singing」(スピーチ・レベル・シンギング、SLS)を考案し、マイケル・ジャクソン等トップスターのボイストレーナーとしてレコーディングやツアーのサポートなど過密なスケジュールをこなしている。SLS指導者の育成もしており、ボイストレーナーとしての様々な厳しいテストをパスした者にそのライセンスを与えている。
同じくボイストレーナーとして著名なロジャー・ラヴはリッグスの元教え子の一人である[1][2]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B9
当然のことですが、コンテンポラリー音楽(ポップス)はマイクを使います。
ということは…ポップスにおけるミックスボイスの発声というのは、あくまで「マイクを使うことを前提に成り立っている」ので、そもそも物理的に爆発的な声量は出せないワケですね。

雅之様自身も、「声量=伝わる」と勘違いをしていたと反省されていました。
「声量を抑えましょう」という旨のお話をたっぷりとさせて頂いた上で、ようやく発声練習です。
手始めにオクターブスケール×Nay(ネイ)エクササイズを処方しましたが、それでも声量は大音量でした。
その反応を受けて、※ファニーネイと呼ばれるツールを処方しました。
しかも なんと、「STAND BY ME」の最高音であるA4(4番目のラ)よりも高い、C5(5番目のド)まで繋がりました!
そうなんです、このようにただ声量を抑えただけでミックスボイスが発声できてしまうという人は、決して珍しくないのです。

面白いことに、ご本人様の体感としては裏声とのことでした。
そこで最後にファニーネイのエクササイズを録音し、様自身に聴いていただいたところ…「自身の体感と録音した音声とでは相違がある(録音した音声は完全な裏声では無い)」と、驚かれていました!
総括
雅之様 (50代 男性)のボイスタイプですが、ご本人様の認識の通りプルチェスト型でした。
チェストボイス(地声)の音域から既に必要以上の声量を出してしまっていることが原因で、いつまで経ってもミックスボイスが発声できないという状態でした。
その証拠として、ただ声量を抑えて頂いただけなのに、たった1回の体験レッスンでミックスボイスの声帯振動へと入って行くことに成功しました!